2022年第4週の本命銘柄の一つであるMS-Japan(6539)の今期と過去4期分の決算分析を行いました。
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MS-Japanはどんな会社?
士業(公認会計士、弁護士等)と一般事業会社の管理部門に特化した人材紹介業をメインとしており、転職サイトも運営している会社です。顧客は会計事務所、法律事務所、監査法人、コンサルティングファームの専門組織や国内企業、外資企業、金融、ベンチャー企業の一般企業を対象としています。
4期前からの業績推移

4期前から今期に至るまでの、売上、経常利益、株価、発行株数、時価総額、EPS(1株あたり純利益)、現金残高がどのように推移しているかを表した棒グラフです。
売上は2期前からわずかに右肩あがりですが、経常利益は横ばいが続いております。
株価、時価総額は3期前から横ばい、EPSも横ばいの状況が続いています。現金は着実に増加しているようです。
まとめると業績については成長も衰退もしておらず、横ばいの状況が続いていると言えそうです。
1株資産・1株資本とPBRの推移

次は、1株資産や1株資本(≒純資産)を4期前から追ったもので、その数字から理論PBRと実際のPBRを折れ線グラフで表しています。
1株資産、1株資本は共に右肩あがりで資産・資本は増えていることがわかります。理論PBR・実際PBRは3〜4期前から下がって、それ以降横ばいが続いております。
理論PBR・実際PBRは大きな差はないので現在の株価は妥当と考えられます。
株価と理論株価、資産価値・事業価値の推移

理論株価と実際株価を折れ線グラフで表したものです。理論株価の算出に使う資産価値、事業価値の伸びを棒グラフで表しています。
理論株価・株価はやや右肩下がりです。事業価値は2期前に一旦下落し、それ以降はやや持ち直してきているようです。
理論株価と実際株価はほぼ同レベルで推移しており、市場からの評価は妥当(現在の株価は適正)であると考えられます。
売上に対する各種利益や販管費の比率

損益計算書の棒グラフと、その数字から割り出した「粗利率」「販管費比率」「経常利益率」の線グラフを重ねたものです。
これを見ますと、粗利率・販管費利率は横ばい、経常利益率はやや減少傾向となっています。
ROA、ROEの推移とPER、理論PERの推移

ROA(総資産利益率)、ROE(株主資本利益率)の過去4期と今期の推移を棒グラフで表し、そこに「理論株価÷EPS」で計算した理論PERと、実際の株価をEPSで割ったPERの棒グラフを記載しています。
ROA・ROEは2期前に急落し、以降横ばい傾向が続いております。経営効率に改善が見られないといえるかもしれません。
理論PER、実際PERも横ばいです。理論PER、実際PERに大きな差はないので、市場からの評価は妥当(現在の株価は適正)であると考えられます。
過去4期分の積み上げ式キャッシュフロー

キャッシュフロー計算書の営業・投資・財務CFとフリーキャッシュフロー(FCF = 営業CF+投資CF)を過去4期分、積み上げ式で棒グラフにしたものです。
営業CF・FCFが大幅にプラスであることから、過去4期全体では営業CFの範囲内で投資活動ができていることがわかります。
投資CFは3期前に大幅なプラスとなってますが、決算短信によると有価証券売却の影響とのことです。
まとめ
今期と過去4期分の決算短信を分析したところ、成長は横ばい、株価は適正レベルであることが判明しました。
ただ業績が悪化しているわけではなく、今期の進捗率は2023年第2四半期短信では売上は48.1%、経常利益は58.3%、純利益は58.5%と順調に進捗してます。今後の成長については今期の業績次第といったところでしょうか?
以上、MS-Japan(6539)の今期と過去4期分の決算短信を分析の結果をまとめると、下記のようになります。
- 直近の業績は横ばい
- 資産、資本は順調に増加している。理論PBR、実際PBRは横ばい。PBRの観点での市場からの評価(株価)は適正。
- 理論株価・株価はやや右肩下がり。
- 粗利率・販管費利率は横ばい、経常利益率はやや減少傾向
- ROA・ROEは2期前に急落し、以降横ばい。
- 理論PER、実際PERも横ばい。PERから見た市場からの評価(株価)は妥当。
- キャッシュフローは潤沢で問題なし。
- 今期の進捗率は順調
- 今後の成長は今期の業績次第。
以上、ご参考ください!
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