紙パルプ業界の雄である王子ホールディングス(3861)の決算短信の分析と今後の株価予想をしてみました。
直近の株価下落の理由も分析します。
*2025年2月10日に2025年3月期 第3四半期決算短信の発表がありましたので、反映しています。
王子ホールディングスはどんな会社?
主に以下の4つの事業を展開しています。
- 産業資材・生活消費財ビジネス: 板紙、段ボール、パッケージング、ティッシュ、紙おむつなど。
- 機能材ビジネス: 特殊紙、感熱紙、粘着事業、フィルム事業など。
- 資源環境ビジネス: 木材・パルプ事業、エネルギー関連事業など。
- 印刷情報メディアビジネス: 新聞用紙、印刷出版用紙、情報用紙など
また、環境に配慮した取り組みも積極的に行っており、例えば、外食チェーンと連携して紙カップのリサイクルを行うプロジェクトも実施しています。
王子ホールディングスの配当は?
2025年3月期の予想としては、第二四半期で12円、期末で12円、合計24円の配当を予定しています。
100株だと年間2400円(税抜)となります。
配当利回りは約3.94%となります。(2025年2月18日現在の株価:609.8円)
配当は多い方だと思います。
王子ホールディングスの株主優待
王子ホールディングスの株主優待の権利確定月は3・9月となります。
基準日は9月30日と3月31日の年2回です。
優待内容は[A], [B]があります。
~優待内容【A】~
植林活動応援イベント
『Stop地球温暖化 いっしょに育む“森の力”』
【所有株式数】:5,000株(50単元)以上
【保有期間】 :-
【基準日】 :毎年9月30日
【送付時期】 :毎年12月~1月(予定)
対象となる株主には、当社から「木製プレート」を送付する。
木製プレートに「王子の森」へのメッセージを記入し返送する。
返送された木製プレートの数に相当する本数の苗木を
当社グループが植樹するとともに、木製プレートは苗木に取り
付け「王子の森」へお届けする。また、国内数カ所で植樹会を
開催し、対象となる株主で参加を希望される株主に、苗木植樹の
体験機会を抽選で提供する。植樹の状況や植樹会の様子は
当社ホームページで報告する。
~優待内容【B】~
当社グループ製品カタログギフト
王子ネピアの商品セットから選べる
「王子ネピア商品カタログギフト券(Aコース)」を贈呈。
【所有株式数】:1,000株(10単元)以上
【保有期間】 :半年以上継続保有(注)
【基準日】 :毎年3月31日
【送付時期】 :毎年6月(予定)
王子ホールディングスの決算短信分析
王子ホールディングスの4期前から今期に至るまで決算短信について分析しました。
なお、決算分析の手法は下記の本を参考にさせていただきました!
>> はっしゃん株の本!10倍株の探し方の評判と理論株価や決算分析シートの内容も!
王子ホールディングスの業績推移
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4期前から今期に至るまでの、売上、経常利益、株価、発行株数、時価総額、EPS(1株あたり純利益)、現金残高がどのように推移しているかを表した棒グラフです。
売上は右肩上がりですが、利益・株価・時価総額・EPS・現金いずれも伸び悩んでいます。
王子ホールディングスの資産推移
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次は、1株資産や1株資本(≒純資産)を4期前から追ったもので、その数字から理論PBRと実際のPBRを折れ線グラフで表しています。
1株資産、1株資本はいずれも右肩あがりで、順調に資産を増やしていることがわかります。
一方、実質PBRと理論PBRは低下傾向です。
王子ホールディングスの株価と理論株価、資産価値・事業価値の推移
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理論株価と実際の株価を折れ線グラフで表したものです。理論株価の算出に使う資産価値、事業価値の伸びを棒グラフで表しています。
資産価値は伸びている一方、事業価値は右肩下がりです。
株価や理論株価は横ばいと言えそうです。
王子ホールディングスの売上に対する各種利益や販管費比率の推移
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損益計算書の棒グラフと、その数字から割り出した「粗利率」「販管費比率」「経常利益率」の線グラフを重ねたものです。
これを見ますと、粗利率・経常利益率は右肩下がり、販管費比率は横ばいとなっています。
利益率が低下傾向なので気になりますね。
王子ホールディングスのROA、ROE、PER、理論PERの推移
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ROA(総資産利益率)、ROE(株主資本利益率)の過去4期と今期の推移を棒グラフで表し、splpも「理論株価÷EPS」で計算した理論PERと、実際の株価をEPSで割ったPERの棒グラフを記載しています。
ROA・ROEはいずれも右肩下がりです。
自己資本や総資産が増加する一方、利益が減少しているのが原因のようです。
王子ホールディングスの過去4期分の積み上げ式キャッシュフロー
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キャッシュフロー計算書の営業・投資・財務CFとフリーキャッシュフロー(FCF = 営業CF+投資CF)を過去4期分、積み上げ式で棒グラフにしたものです。
営業CFは大幅に大幅プラスですが、今季は投資CFがマイナスとなっており、トータルフリーキャッシュフローはトントンとなってます。
王子ホールディングスの今期の進捗率
今期の進捗は3Q発表時点で、売上高は73.7%、経常利益は86.4%、純利益は88.2%となっており、2Qの直前に業績の下方修正があったものの、進捗率としては「悪くはない」と言えそうです。
しかし、同日に発表された会社業績予想によると、通気の経常損益は15.1%減益の73000百万円を予想しており、IFISコンセンサスを3.5%下回る水準となってます。
4Qまで注意を払う必要がありそうです。
王子ホールディングスのチャートと今後の株価予想
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2024/12/13の自社株買い発表まで下降トレンドでしたが、以降は上昇トレンドに入ったように見受けられます。
王子ホールディングスの株価下落の理由
2024/12/13までの株価下落の理由は、原燃料高騰と為替変動による業績悪化が原因と考えられます。
2024/12/13以降は為替も円高にふれてきてきており、市況も徐々に改善しつつあるようです。
王子ホールディングスの2025年3Q決算短信の分析まとめ
以上、王子ホールディングスの決算短信分析の内容をまとめると下記のようになります。
- 売上は右肩上がりも、利益・株価・時価総額・EPS・現金はいずれも伸び悩む。
- 資産は増加の一途。
- 資産価値は上昇も、事業価値は低下傾向。株価は横ばい。
- 粗利率・経常利益率は低下傾向、販管費比率は横ばい
- ROA・ROEは右肩下がり。増える自己資本と総資産と減る利益率が影響
- 営業キャッシュフローは潤沢だが、今季は投資を行ったので、FCFはトントン
- 3Q進捗率は悪くない。IFISコンセンサスはやや下回る。
- 直近のチャートは上昇傾向。市況も改善。
以上、ご参考ください!
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