PR

SBIレオスひふみの株主優待や配当&今後の株価予想も。2025年3月期3Q決算短信を分析

株式投資

「投資信託」と聞いて何を思い浮かべますか?数多ある投信の中で、「ひふみ投信」の名前を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

その運用元であるSBIレオスひふみが好決算を発表し、投資家の注目を集めています。運用資産残高は1.3兆円を突破、利益率も向上する中、同社はさらに踏み込んだ株主還元策を打ち出しました。配当性向50%以上への引き上げに加え、日本初となる投資信託の贈呈による株主優待制度の導入も発表

YouTubeチャンネル登録者60万人という圧倒的な情報発信力も武器に、同社はどこへ向かうのか。PER12倍、配当利回り3.86%という投資妙味のある数字の裏側に迫ります。

*2025年2月5日に2025年3月期第3四半期決算短信の発表があったので反映しています。

SBIレオスひふみはどんな会社?

SBIレオスひふみ株式会社は、2024年4月1日に単独株式移転によって設立された投資運用事業を中心とする持株会社です。東証グロース市場に上場(証券コード:165A)しており、代表取締役会長兼社長グループCEOを藤野英人氏が務めています。

同社の最大の特徴は、「ひふみ投信」シリーズを始めとする国内外の株式に投資する公募投資信託の運用・販売にあります。完全子会社であるレオス・キャピタルワークス株式会社が実際の運用を担当し、直接販売と販売パートナーを通じた間接販売の両方のチャネルを活用しています。

注目すべきは、YouTubeチャンネル「お金のまなびば!」での情報発信力です。チャンネル登録者数は約60万人に達し、投資教育と「ひふみ」ブランドの認知度向上に大きく貢献しています。運用資産残高は1.3兆円を超え、投資信託業界において独自のポジションを確立しています。

SBIレオスひふみの株主優待はいつ届く?

SBIレオスひふみは2025年3月期から株主優待制度を導入することを発表しました。この優待制度は日本初となる公募投資信託の贈呈を特徴としています。

優待の対象となるのは、2025年3月末時点で1,000株以上保有している株主です。優待内容は以下の2つから選択できます:

  1. レオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみクロスオーバーpro」の口数贈呈
    • 1,000株以上:2,000口(2025年2月4日時点で約2,076円相当)
    • 5,000株以上:10,000口(2025年2月4日時点で約10,380円相当)
  2. 上記と同等金額の寄付

優待の流れは次のようになっています:

  • 2025年6月下旬:対象株主への通知発送
  • 2025年6月下旬~9月下旬:特設サイトでの登録期間
  • 2025年10月~11月:優待の贈呈

注意点として、投資信託を選択する場合は、レオス・キャピタルワークスの直販口座が必要となります。また、株主名簿に記載された名義と口座名義が一致している必要があります。

SBIレオスひふみの配当は?

SBIレオスひふみは株主還元を重視し、配当方針を大きく変更しました。従来の配当性向30%以上から、より積極的な「配当性向50%以上かつDOE(株主資本配当率)10%以上」という方針に改めています。

2025年3月期の配当状況と見通しは以下の通りです:

  • 中間配当:27.20円(実施済み)
  • 期末配当:3.40円(予想)

なお、2024年10月1日付で1株→8株の株式分割を実施したため、期末配当は分割後の金額になっています。株式分割を考慮した年間配当金の予想は6.80円となります。

この配当方針の変更は、成長投資を継続しながらも株主還元を強化できる財務基盤が整ったと判断したためです。特に注目すべき点は、利益成長による増配を基本路線としながら、配当金額の変動を抑えるためにDOE基準を設けている点です。

さらに、2025年3月期の1株あたり当期純利益(EPS)が13.6円を超えた場合は、増配を検討するとしています。これは株主にとって明確な追加還元の指標となるでしょう。

SBIレオスひふみの決算短信分析

JSBIレオスひふみの2025年3月3Q決算短信を分析します。

なお、決算分析の手法は下記の本を参考にさせていただきました!

\決算書分析はこの1冊でOK/

>> はっしゃん株の本!10倍株の探し方の評判と理論株価や決算分析シートの内容も!/

SBIレオスひふみの業績推移

2025年3月期第3四半期の決算は、堅調な成長を示しています。2024年12月末時点での運用資産残高は1兆3,635億円で、前年同期比では13.6%増加しました。一方、前期末比ではわずかに減少(-0.4%)していますが、これは市場の変動によるものと考えられます。

第3四半期累計の営業収益は8,563百万円、営業利益は1,568百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,131百万円となりました。前年同期比では、営業収益は11.9%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は17.2%増と力強い成長を示しています。

特に注目すべきは営業利益率の向上です。18.3%の営業利益率は前年同期と比較して0.4ポイント改善しており、収益性が高まっていることがわかります。また、報酬率の高い「ひふみワールド」や「ひふみproシリーズ」の残高拡大により、平均報酬率も上昇傾向にあります。

SBIレオスひふみの資産推移

参照:はっしゃん決算分析シート

財務状態も健全性を維持しています。2025年3月期第3四半期末の総資産は12,334百万円で、前期末比10.0%増加しました。特に現金及び預金は4,773百万円と前期末比33.8%増と大幅に増加しています。これは営業活動による収入が順調に積み上がった結果です。

負債は4,487百万円(前期末比12.2%増)、純資産は7,847百万円(同8.8%増)となっています。自己資本比率は60.4%と前期末からやや低下しているものの、依然として高い水準を維持しています。1株あたり株主資本は72.0円(株式分割考慮後)と前期末比7.9%増加しました。

これらの数字は、事業拡大に伴って資産規模が増加しつつも、財務健全性を損なわない堅実な経営が行われていることを示しています。

SBIレオスひふみの株価と理論株価、資産価値・事業価値の推移

参照:はっしゃん決算分析シート

2025年4月11日時点のSBIレオスひふみの株価は176円です。PBR(株価純資産倍率)は2.30倍となっており、純資産の2倍超の評価を受けています。

理論株価を算出するには複数のアプローチがありますが、DDM(配当割引モデル)で考えると、配当利回り3.86%は市場平均と比較して魅力的な水準です。また、配当成長率を考慮すると、長期投資家にとっての価値はさらに高まる可能性があります。

事業価値については、安定した投資信託の残高から得られる継続的な収益が評価されています。特に直販比率が19.7%と高く、販売パートナーに支払う代行手数料率が低いことから、収益性の高いビジネスモデルを構築しています。

SBIレオスひふみの売上に対する各種利益や販管費比率の推移

参照:はっしゃん決算分析シート

収益構造の改善が顕著に表れています。2025年3月期第3四半期累計期間の営業利益率は18.3%、経常利益率は18.4%、親会社株主に帰属する四半期純利益率は13.2%と、いずれも前期と比較して上昇しています。

販売管理費は絶対額としては増加していますが、売上に対する比率は低下傾向にあります。2025年3月期第3四半期累計の販売管理費率は33.9%と、前期の34.3%から改善しています。特に、広告宣伝費については、直販口座の新規獲得を目的とした広告投資は効率性を重視し、投資対効果が高い「ひふみクロスオーバーpro」の広告宣伝に注力しています。

この傾向は、同社が収益拡大とコスト効率の両立に成功していることを示しています。

SBIレオスひふみのROA、ROE、PER、理論PERの推移

参照:はっしゃん決算分析シート

資本効率を示す指標も良好です。2025年3月期第3四半期累計期間(年換算)のROA(総資産利益率)は12.2%、ROE(自己資本利益率)は21.0%と高水準を維持しています。これは、投資運用業という事業特性上、多額の設備投資を必要とせず、効率的に利益を上げられることを反映しています。

PER(株価収益率)については、2025年4月11日時点の株価176円と、2025年3月期第3四半期累計のEPS 10.95円を年換算すると約14.6円となり、PERは約12.0倍となります。この水準は、安定成長株としては割安感があると言えるでしょう。

SBIレオスひふみの過去4期分の積み上げ式キャッシュフロー

参照:はっしゃん決算分析シート

直近のキャッシュフロー状況を見ると、2025年3月期第2四半期累計期間では営業活動によるキャッシュ・フローが842百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが199百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローが83百万円のマイナスとなっています。

2024年3月期通期では、営業活動によるキャッシュ・フローが2,236百万円と大幅なプラスになっており、事業から安定したキャッシュを生み出す能力が示されています。投資活動では主に有形固定資産やソフトウェアへの投資が行われており、将来の成長に向けた布石を打っています。

これらのキャッシュフロー推移から、同社が健全な資金循環を維持しながら、適切な投資と株主還元のバランスを取っていることがわかります。

SBIレオスひふみの株価チャート分析

株たん(日足)
株たん(週足)
株たん(月足)

SBIレオスひふみの株価は、2025年4月11日時点で176円、前日比+3円(+1.73%)となっています。チャートを分析すると、東証グロース250指数の構成銘柄に選定されるなど、投資家からの認知度が徐々に高まっていることがわかります。

株価の推移は、基本的に運用資産残高や市場環境の影響を受けやすい傾向にあります。特に日本株市場全体が大きく変動した2024年夏頃には、株価にも影響が見られました。ただし、その後は底堅い動きを示しています。

テクニカル指標では、PER約12倍、PBR2.3倍、配当利回り3.86%と、グロース市場の銘柄としては比較的安定した指標を示しています。特に配当利回りの高さは、投資家にとって魅力的なポイントとなっています。

SBIレオスひふみの今後の株価予想

SBIレオスひふみは2025年3月期の業績予想を公表しており、通期で営業収益11,500百万円(前期比+11.5%)、営業利益2,000百万円(同+12.3%)、経常利益2,000百万円(同+11.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,400百万円(同+6.6%)を見込んでいます。この業績予想は、2025年3月に日経平均株価が4万円程度に推移することを想定して算出されています。

今後の株価を左右する要因としては、以下の点が挙げられます:

  1. 運用資産残高の拡大:ひふみクロスオーバーproなど新商品の残高増加
  2. 平均報酬率の向上:高報酬率商品の構成比拡大
  3. 直販比率の維持・向上:収益性の改善につながる
  4. 株主還元策の充実:配当方針の変更と株主優待導入による投資魅力の向上
  5. 市場環境:株式市場全体の動向

特に注目すべきは、株主優待制度の導入と配当方針の変更です。これにより株主還元が強化され、株価の下支え要因になると考えられます。また、2024年11月に設立したフィナップ株式会社を通じたオンライン金融教育事業の展開も、中長期的な成長ドライバーとなる可能性があります。

SBIレオスひふみの決算分析まとめ

以上、SBIレオスひふみの決算短信分析結果についてご紹介しました。要点は下記のとおりです。

  • 運用資産残高は1兆3,635億円と前年同期比+13.6%の成長
  • 2025年3月期第3四半期の営業収益は8,563百万円(+11.9%)、営業利益率18.3%に向上
  • 配当方針を「配当性向50%以上かつDOE10%以上」に強化、株主優待制度も導入
  • 通期予想:営業収益11,500百万円(+11.5%)、営業利益2,000百万円(+12.3%)
  • 株価176円(PER約12倍、配当利回り3.86%)は割安感あり

SBIレオスひふみは「ひふみ投信」シリーズで知られる資産運用持株会社です。2025年3月期第3四半期は前年同期比で二桁の増収増益となり、特に高報酬率商品の残高拡大により収益性が向上しています。

財務面では自己資本比率60.4%と健全性を維持しながら、株主還元を大幅に強化。配当方針を「配当性向50%以上かつDOE10%以上」へ変更し、「ひふみクロスオーバーpro」を贈呈する株主優待も新設しました。

現在の株価水準(PER約12倍)は、安定した成長性と高い配当利回りを考慮すると割安感があります。YouTubeチャンネル「お金のまなびば!」を通じた強力な情報発信力も強みであり、中長期投資家にとって魅力的な投資先と言えるでしょう。

↓応援お願いします!↓
にほんブログ村 株ブログへ
にほんブログ村
タイトルとURLをコピーしました